2026/02/06 11:43

時計の歴史 ― シュメール人から機械時計誕生まで

私たちが当たり前のように使っている「時計」。しかし、人類が正確に時間を測れるようになるまでには、数千年にわたる試行錯誤がありました。時計の歴史は、文明の発展そのものと深く結びついています。今回の時計の歴史ブログでは、最古の時間管理から、機械時計が誕生するまでの流れと、代表的な時計の種類を紹介します。


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シュメール人と時間のはじまり

時計の歴史を語るうえで欠かせないのが、紀元前3000年頃のシュメール文明です。メソポタミア地域で栄えたシュメール人は、農業や宗教儀式、都市生活を運営するために時間の概念を体系化しました。

彼らは天体の動きを観測し、

・1日を区切る
・月や季節を把握する
・60進法を用いる

といった時間制度を作りました。現代でも「1時間=60分」「1分=60秒」が使われているのは、このシュメール由来の六十進法の名残です。この時点ではまだ「時計」という装置はありませんでしたが、時間を数値として扱う基礎がここで生まれました。


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①太陽の動きを使った最古の時計 ― 日時計


最も古い時計の一つが日時計です。棒や柱の影の位置によって時間を知る仕組みで、古代エジプトやバビロニア、ギリシャで広く使われました。

特徴
・太陽の影で時間を測る
・構造が単純で壊れにくい
・晴天でないと使えない
・夜は使用できない

日時計は「時間を視覚的に測る」最初の実用的な装置でした。

日時計には携帯用のものまで開発されていたそうです。遠い昔でも、時間は大切であったことが伺えますね!


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②水の流れで測る ― 水時計(クレプシドラ)



日時計の弱点を補うために生まれたのが水時計です。容器から一定の速度で流れ出る水の量で時間を測定しました。

特徴
・夜でも使える
・屋内でも使用可能
・気温や水圧で誤差が出やすい
・定期的な調整が必要

エジプト、ギリシャ、中国などで発展し、裁判の発言時間の計測にも使われていました。


17世紀になると、フランスの時計職人、クロード・シメオン・パスマンによって設計されたパスマン水時計が生まれます。これは複雑なメカニズムを備え、一定の水の流れを利用して時間を測定するものです。こちらはベルサイユ宮殿に設置されたことで知られているそうです。



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③香りで時を刻む ― 香時計・線香時計


東アジアでは香(線香)を燃やす速度を利用した時計も使われました。一定の長さの香が燃え尽きる時間で時刻を判断します。

特徴
・夜間でも使用可能
・視覚に頼らない計測
・室内向き
・香りで時間経過がわかる

中国や日本の寺院・宮廷で利用されていました。

上の画像の様な香時計は複雑な迷路のような溝に香を敷き詰めて火をつけ、燃え尽きるまでの時間で時を計っていました。進化し続けると、蚊取り線香のようになりそうな発想ですね(笑)


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④歯車の発明と大型装置 ― 初期の機械式装置



中世に入ると、歯車や重りを使った大型の時間測定装置が登場します。イスラム世界やヨーロッパ、中国で技術が進歩しました。特にイスラムの技術者アル・ジャザリー(12〜13世紀)は、歯車と水力を組み合わせた高度な時計装置を設計しています。

この時代の装置はまだ精密とは言えませんでしたが、

・歯車機構
・重りによる駆動
・自動で動き続ける仕組み

といった、後の機械時計の基礎がここで整いました。



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⑤機械時計誕生前夜
13〜14世紀のヨーロッパでは、教会や都市の塔に設置される塔時計が登場します。重りと歯車、そして脱進機(だっしんき)と呼ばれる仕組みによって、一定のリズムで動く装置が作られました。

これが、のちに発展する機械式時計の直接の祖先です。ここから先、ぜんまいの発明、携帯時計、そして腕時計へと時計は小型化・高精度化していきます。

近代的な時計が発明されるまで、あと一歩!という感じですね!!