2025/12/14 16:36

まず、第1回のときに書いた内容のように、「時」という概念が生まれたであろう時代は、狩猟採集時代と言われています。これは、人類が野生の動植物を狩猟・採集して生活していた時代から農耕が始まる新石器時代を迎えるまでの期間を言いますが、約2,500,000年前から紀元前8000年~6000年あたりのことをさし、今年が2025年なので、その差が約2,489,975年。(笑)

要するに、昔過ぎて良くわかっていない。(笑)文字もありませんしね。
しかし、狩猟採集時代であっても「時」という概念はあったはずです。朝、昼、夜。季節の移り変わり。それらは狩猟や採集に、とても大切だからです。

この時代の人々が、まず気が付いたことが太陽の出没、すなわち「1日」ということ。
また、季節が一定の推移で一巡することにも気が付いた。これが「年」。また月の満ち欠けに気が付き、それを12回繰り返すと季節が一巡することにたどり着きました。これが「月」。そしてこれらを「暦(こよみ)」ということです。

この「暦」が使われたのは、最終氷期の狩猟採集社会の時期で、棒や骨などを使って、月の位置と満ち欠けを観察したのが始まりだったとされています。
そして、現代でも様々な憶測があり、多くの学者が研究している遺跡のひとつに、ストーンサークルというモノがあります。先史時代のヨーロッパを中心に建てられた建造物で、ストーンヘッジが最も有名でしょうか。日本にもいくつかありますね。

「ストーンサークルはいったい何の為に建てられたのか?」という問いに、多くの学者たちが日々研究を重ねているわけです。有力とされているのは、ひとつは儀式として。もう一つは暦を知る為です。

有名なストーンヘンジの場所は夏至と一致している為、古代の暦として機能すると長い間考えられてきました。そして研究は進み、この遺跡が365.25日の熱帯太陽年(今の基準)に基づいた「暦」であったことが示されています。

そして、それは同時に儀式としての役割も持っていたと思います。
太陽が沈み、暗く寒い夜を過ぎた後、朝を迎えると、あたたかな日差しが辺りを包み込む様は神々しく、太陽神などへの信仰にも繋がるのはわかります。
また、狩猟採集時代の集落は中央に墓や集会所となる広場を設け、その周りを各々の家で円形に囲むように建てていく環状集落というものが基本です。

そういった事情から、ストーンサークルというものは、その暦を知るためのものと集落の儀式的な役割も担っていたことが連想させてくれます。
自分たちが普段つけている腕時計のルーツも、先人たちのストーンサークルや生活の知恵や文化、歴史から脈々と繋がるものであることを知ると、自分の身につけている腕時計も、なんだかロマンチックに見えてきますね。

今回はこれくらいで、また次回、時計の歴史 vol.3を書きますね!
